好きで始めたミニチュアハウス作りがキッカケで、いろんな出逢いや出来事がありました。
このコーナーでは、製作や展示にまつわる思い出話を自己中心的感覚で掲載していきます。
2010年春の話しです。トキワ荘の作品をネットで紹介したところ、トキワ荘があった東京都豊島区南長崎の商店会の関係者の方からイベントで展示したいとの申し出があって、日帰りで現地へ自己搬入した時のこと。
なんとイベント会場に、少女漫画の巨匠「水野英子先生」がいらっしゃってて一緒に記念撮影。石ノ森章太郎氏の部屋の向かいの部屋に住んでいた先生です。
※ご本人の許可を得ていませんので、一部お顔を隠させていただいてます。ついでに自分の顔も隠してまーす。
トキワ荘はすでに解体されて現存していませんが、その裏手に当時のままの木造アパートが残っています。
赤塚不二夫氏が、徐々に仕事が増え出しトキワ荘だけでは手狭になったために借りた「紫雲荘」という名の仕事部屋。
他の部屋は一般の人が住んでいますが、この部屋だけは豊島区の管理のもとミニ資料館となっています。
イベント関係者ということで、この日は特別に休憩所として使用させていただきました。
まさにその部屋で、管理人さんの手ほどきを受けて「シェーッ!」
このあと、日頃の運動不足がたたり、つま先が吊ってエライ目にあったのは言うまでもありません。
過去に地元新聞社や民放2社からの取材経験はあったものの、唯一の国営放送NHKからは全く興味を持っていただけないものと思っていたのですが、2012年5月23日、ついにNHK中継が現実のものに。
敦賀市のカフェ茶屋・珈夢での展示イベントが夕方のニュースで中継されました。
カフェの駐車場にデーンと巨大な中継車と20人弱のスタッフ。中継まで約2時間以上のリハーサルにほとほと疲れた。5~6分の中継のために人件費をケチることなく取材中継していただいて、さすがNHK!と思わずにはいられませんでした。
作品は独自のスケールで製作しているためか市販されているパーツが意外に少なくて、無い物は自分でワンオフしないとならない。いつも何か使えそうなモノはないか?って、ホームセンターや100均の店舗を徘徊しながら材料となるものを探している。
鈴木オート製作にあたって、どうしても昔の笠付きハダカ電球が作りたくて、何か利用できるものはないかと探し当てたのが「プラ画鋲」でした。針を熱して抜いて切断したあと穴を開けてLED装着。
これがなんと、意外にハダカ電球に見えてきてイイ味出すんですの。評判も良かったデス。
昭和レトロ好きにはたまらない、数々の懐かしい昭和グッズ約2万点以上を展示していた「三国昭和倉庫館」。
平成24年1月15日の隣家火災の延焼により、貴重な展示物とともに全焼してしまった。
実はこの倉庫館は、県内で初めて本格的な展示会を開催させていただいたスポットで、2年連続お世話になった場所だった。
経営していたのは地元の古民家再生が得意な工務店。取り壊しの際に不要となったお宝を20年間こつこつ集めて6年前にOPENした施設だった。福井県立歴史博物館に常設展示中の昭和の街並みもこの会社が手がけたもので、いつも懐かしさにひたれる場所だ。
私が始めてここを訪れた時、ちょうど「鈴木オート」が完成したばかりの頃だった。館内に足を踏み入れてすぐ、ALWAYS三丁目の夕日の映画ポスターが目に飛び込んできた。
モノは試しで、館長と思われる人物に思い切って声をかけてみたところ、同年代ということもあってか意気投合。館内の使っていないスペースをわざわざ改装して展示場所を提供していただいた。
期間中、かなり多くの方々に作品を見ていただいた。そこでたまたま知り合った金沢市役所の観光課の方からも作品展示の依頼を受けて、翌年は金沢湯涌温泉の創作の森ギャラリーで大掛かりな展示イベントも開催することが出来た。
思い出深い「三国昭和倉庫館」。先日その跡地のそばを通ったが、焼け焦げた木材がそのまま積み上げられていた。音信不通だった館長から先月に電話があり、館長はまた再建に向けて動き出しているようだ。再建の折には是非協力したいと思っている。
次の作品を考える時、テーマを選ぶことも非常に苦労するのだが、同時に「仕掛け」を考えるのも結構たいへんな作業。
だいたい展示会とか個展とかの類はアート的な作品が主で、一般的にどこに行っても「作品に触れないで下さい」の注意書きがあります。作者側から言えばそれなりの時間と手間ヒマをかけて製作した作品であるので、その価値が全く分からない不特定多数の人にいじられたりするのは、かなりのリスクが伴いストレスもハンパないです。
でも、見るだけでどんだけ感動が伝わるのかと言うと話しはいささか変わってくる。ご自由にお触り下さい。参加型の作品展示会ってオモロイと思いませんか?
作品自体に何の注意も払わずに触られるのは困るのですが、せめて見る人のアクションで作品を楽しんでもらう仕掛けはないか?って考えて、スイッチを押すことで各部屋の照明が点灯することから始めました。(※作品自体はアクリルケースで保護されています)
ただ、毎回この「仕掛け」では飽きてくるのが人情と言うもの。北の国からの「黒板五郎の石の家」では、アッと驚く四つの「仕掛け」を用意したのです。
その①:風呂の焚き口と室内暖炉の炎がメラメラと燃え上がります。
その②:井戸汲み風車がゆっくりと回転します。
その③:石積みの煙突の先端から、ホンモノの煙が立ち昇ります。
その③:五郎のヒツジたちが、メェエエエ~ッ!と鳴きます。
展示する場所や施設によって発煙はお見せすることが出来ない場合もあります。火災報知器が誤作動したり、特有の臭いがするためです。基本的には自由にボタンを押して楽しんでいただける作品の製作を目指していますが、ゲーム機のボタンを押すようにガチャガチャ乱暴に扱うのはご遠慮ください。スイッチは毎回交換せざるを得なくなっています。
特に10歳前後の悪ガキ(お子様)! 子供を注意出来ない親も多すぎるし、親が進んでマナー違反をされる場合も日常茶飯事。常識をわきまえてお楽しみください。
そもそも建築模型の世界は建築士が描く図面をもとにされているから、一般的な住宅なら1/100とか1/50、もっと大きいビルとか商業施設の模型は1/200や1/500とかのスケール。
んーじゃら何で中途半端な1/40のスケールに辿り着いたのか?
答えはリアルなミニカーをガレージに置きたかったから。模型を際立たせる「点画」のひとつなんだけど、あるのとないのじゃイメージが全く違う。その家に住むイメージがクルマを配することによって自然と浮かんできて、こんな家に住んでみたいって妄想するワケ。
ところが、1/50スケールのクルマの模型はほとんど見かけない。詳しい理由は分からないが、この手のミニカーは鉄道模型のスケールと密接な係わりがあるようだ。ちなみに鉄道模型の大きさを表す「ゲージ」って言葉。軌道の幅を表すのが転じて大きさを表している。人気なのはNゲージで約1/150のスケールだが、Oゲージってのもあってこちらは約1/43のスケール。この大きさが住宅模型のサイズに一番近く、リアルに作られたモデルカーの種類も豊富。
1/40のスケールで製作すれば1/43のミニカーを配しても違和感がなく、作品が大いに際立つしスケールの計算もしやすく、ひと回り大きい住宅模型は見栄えや迫力も増してくるためだ。
さらに、住宅はいまだに尺・寸の単位が根付いていることから、スケール1/40は非常に使い勝手が良いというのも理由のひとつです。
第6作目となった「黒板五郎の石の家」は、今までとは全く違った工程での製作でした。言わば初挑戦!
住宅模型用に、ある程度の素材や材料なんかは市販されているものもあるのだが、多くは自分の足と目で探しまわることとなる。
TVドラマの中での石の家は、畑から出た石と廃材だけで建てたという設定。ならば模型だって同じ工程で作らないとホンモノに近づかない。なるべく平たく形の良い石は熱帯魚専門店で見つけた。適度に曲がった流木は、自宅の玄関前に生えていたハナミズキの根っこを半年かけて乾燥させたものだ。これがまたイイ味を出してくれる、またとない最高の素材となった。
作品No.5「有名マンガ家の聖地・トキワ荘」 そのトキワ荘に実際に住んでいたアニメーターの鈴木伸一先生とお会いすることが実現して、ご一緒に記念撮影とトキワ荘模型の保存用ケースに直筆のサインをいただきました。
向かって右から鈴木伸一先生、カールおじさんの生みの親・ひこねのりお先生・わたし・そのとなりに何故か九谷焼窯元「鏑木」当主の鏑木基由氏。
約3年前に偶然出会ったK氏。今年初めに消失した三国昭和倉庫館での展示会で声をかけられたのがキッカケ。金沢市役所の観光交流課にお勤めで、地域活性化のためのイベント等の企画をされている。
K氏の依頼で2011年に金沢湯涌創作の森での展示会が実現し、さらに2012年、かなざわアニメフェスタではトキワ荘をネタにした座談会を企画していただいた。
次回作のテーマを模索していて、ふと気になった話題についてK氏に相談してみたところ、次の日には資料集めの段取りが出来上がっていた。すごい行動力というか、そのバイタリティにただただ脱帽。創作活動に関して最大にして最強の協力者なのだ。
そのK氏と同行して「おおかみこどもの雨と雪」の舞台となった古民家を視察に出かけることになった。次回の作品は観光協会や古民家の持ち主まで巻き込んでの製作となる。プレッシャーもあるが、逆に期待に応えなければという思いも交じって複雑な心境。
この方が、映画「おおかみこどもの雨と雪」に登場する花の家のモデルとなった古民家の持ち主の山崎正美さん。ネットに配信されていた画像なので使わせていただきました。
映画が公開されてから多くのファンが山崎さんの古民家を訪れるようになり、週末はその訪問客のために全くのボランティアで炊き出しや、映画にまつわる話をされているそうだ。
山崎さんは言う、全国からこんな山奥までわざわざ足を運んでくれる人がいて、その人たちと会話が出来ることが何より楽しいと。この言葉の温もりが心を和ませる。
思えば住宅模型を作り始めてから、これまでいろんな方々との出会いがあった。そして自分の知らない世界があることを沢山の方から教えていただいた。
一期一会に感謝しながら、見る人の心を和ませる作品を作り続けて行きたいと思う。
前回、あまりにもキレイで立派な施設を借りて展示会を開催することができたのですが、思いもしない言葉を耳にしてしまい愕然としました。
アレだけ立派な施設に貸し出せたんだから、すごくお金になったでしょって。
冗談じゃないです!施設からは一銭も頂いておりません。逆に備品の使用料を日割りで施設から徴収されています。期間は12日間でしたが、周知ポスターも自主製作だし運搬経費やチラシの印刷も全部自前。軽く見積もっても1万円はオーバーしちゃいました。
そこまでして何故、無料にこだわるのかって…
それは、金銭に代えがたい喜びがあるからなんです。作品に夢中になっている人の表情をみればきっと私の気持ちがわかると思います。こどもはもちろん、大人が子どもの目をして楽しんでくれて、その機会を自分が提供している。入場料なんて取りたいと思わなくなりますよ。
他に、著作に関するグレーな部分もあるので無料としている面もありますが、展示会場からの金銭の授受は全くありませんので、みなさん誤解しないでくださいね。
入館料が必要だった施設での展示の時は、無料招待券として配布させていただいてました。
将来的には、おカネを払ってでも見たいと言われる作品を目指して、そのクオリティを上げたいと日々研究・努力しているのですが。
一つの作品はどれくらいで完成するの?って尋ねられることが多いんだけど、余暇を利用しての製作だから、おおむね4か月~6か月って答えていますが、実は作品テーマの選定から始めると1年以上はかかります。
作りたいテーマがあっても資料の入手が思うように行かなかったりで、頓挫した作品テーマは数々あります。
まず、一番アタマを悩ませるのがテーマの選定なんですが、可能な限り以下のような基準で選んでいます。
①若者から年配者の方まで誰もが知っているであろう作品。
②1/40スケールで表現できる適当な大きさ。
③完成した作品の見栄えの良し悪し。
④懐かしいと思わせる、ちょっと昔の映画やアニメの作品。
⑤資料が豊富にあり、そこから間取りが想像できる程度の情報が入手できるもの。
テーマが先か?資料が先か?ってことになりますが、どちらもあり得ます。
選んだテーマに関してあまり詳しく知らない場合は、その映画やアニメに詳しい方たちから情報を提供してもらうようにしています。意外に知らなかった裏話しや作品に関するエピソードなんかの情報や知識が入ってきて、これはこれで結構楽しい工程なのです。
製作方法について、ネタはあまりバラさないほうが良いのかも知れませんが、モノ作りの楽しさを知っていただくために、あえてご紹介します。
ホコリや風雨にさらされた木製のガラス引き戸。わざと汚しをかけることをウエザリングと呼ぶのですが、一般的にパステルを削った粉末を擦り付けて汚すことが多いです。この引き戸の場合は、偶然にも接着剤の種類を間違えて使用したことから見つかった技法なのです。木製のさんとプラスチックのガラス板を接着するのに、専用の接着剤が手元に無かったことから、安い瞬間接着剤で代用したところ、さんの周囲が白濁してしまったワケです。偶然とはいえ自然な仕上がりに自分自身が一番驚きました。
巷にあふれる「モケイ」と名の付く作品は、そう強固に製作はされていないのが一般的。すべての作品は厚紙や模型用木材を用いて製作しているのですが、よく驚かれるのが、屋根に上から体重をかけて押しても全然平気なこと。
それは細かいところにも強度を考えながら製作しているためです。力が加わりそうな部分は接着剤だけに頼らず、本物と同じように釘打ちしている箇所もあります。
人間が「灯り」を発明してから、その進化は第三の灯りと進化してきました。電球が蛍光灯に代わり、そして現在はLEDに移り変わってきました。
家電売り場にもLED照明シーリングが展示されていますよね。価格もかなり値崩れしてお求めやすくなってきています。でもその中身って以外に知られていないんじゃないかな。
画像はそのLED。結構いろんな種類があって、それぞれの特性も違います。家庭用の照明シーリングには一番左のFluxタイプか、チップタイプのものが円形状に並べられています。器具内部をサンプル展示している売り場もありますね。
作品によく使用するのは真ん中の一般的な砲弾型タイプ。価格も安く明るい光が特徴なのですが逆に欠点もあります。LEDは使用電力が少なく発熱もせず長持ちと良いコトばかりPRされてますけど、その光は拡散せず直進的です。ですからまともに直視するのは大変危険で、場合に因っては確実に目をやられ失明に至ります。十分注意しましょう。
LEDをこのまま作品に使うと部屋にスポットライトを付けたような感じになってしまうので、帽子型LEDを使うかシリコン製の拡散キャップを被せて取り付けることになります。許容入力電圧はだいたい2~3V程度。乾電池直列2本分で点灯します。電圧が高い場合や明るさを変えたい場合は画像・上の抵抗を使って調整します。一般的に足が2本出ていて長いほうが+です。電気は+から-に流れることは小学校で学習しましたよね。案外カンタンにできる工作です。
かなり面倒で、しかも手が抜けないパーツがこれらの建具類。同じものを何枚もつくらないといけないし、かといってレーザーカッターで完璧なパーツを作ってしまうと、何故か味気ない雰囲気の作品になってしまうのが不思議です。
こんな細かい部分までハンドメイドなんだぁって、見る人が感じてくれたら作品の価値がアップする気がします。
富山市で6月3日まで開催されている「おおかみこどもの雨と雪」特別展を観てきました。現在製作中の花の家についての何か参考になる情報とネタ探しに。
折角の富山入りなので、花の家が有名になる前からメンテナンスを担当されている建築士のMさんに会うのも目的のひとつだったのですが。
花の家製作にあたり正確な図面を提供していただいた方で、映画の製作会社へも図面を提供されています。
関係者から直接に話を聞いたりすることは、貴重な情報を得ることができる、またとないチャンスであり、また新たな出会いを導くキッカケともなります。作品の製作には図面や画像の資料だけでなく、こうした関係者からナマの声も時として裏の資料となったりするのです。
建物の窓格子を作る場合って目が細かく大変です。何か利用できるものはないか?という目で素材を探すことが大切。思わぬ素材を発見できます。
今回見つけた素材はサンドペーパー。いちばん目が粗いものがちょうどイイ感じで、しかも無加工で、赤錆た感じが出ています。古びた金網を表現するのにもってこいの素材です。
花の家の前にある湧水が溢れている場所。河や水たまりを表現する樹脂を流し込んでいますが、この樹脂を地面にまで落としてみました。
以前、敦賀市の中池見湿地のジオラマを製作した時、小川に樹脂を流し込み過ぎて周囲を樹脂で汚してしまったことがあるのですが、これが逆に湿地の効果を高めた経緯があったのです。
その雰囲気を思い出して、湧き出した地下水が地面を伝って流れていく様をうまく表現することができました。
長く模型製作を続けているが、自分でもウィークポイントだなぁって思うのがソフト面。建物製作が中心だから直線的要素のハード面は自信あるけど、人形を作ったり室内の小物を作ったりするのは苦手分野だった。
今回初めて、オーブン粘土を使っての小物作りに挑戦。オーブントースターで加熱させると固まる粘土。中古だが温度調節機能付きのオーブンも揃えた。
初挑戦となった「梅干し壺」は、2度目の挑戦で何とか形にすることができた。型縮みのなく指にもまとわりつかない粘土。コレは意外に使える。
キャラハウス第12作品目は、昭和のスポ根アニメ「巨人の星」
その飛雄馬・一徹親子(姉・明子)が住むオンボロ長屋に究極の仕掛けを用意した。
飛雄馬の父・星一徹と言えば、居間のちゃぶ台を思いっきりひっくり返すシーンが有名。
このひっくり返るちゃぶ台の動きを模型で再現してみた。
まことにバカバカしい仕掛けなのである。
原理は、モーターでカムを回転させてピストンを押し下げ、カムが外れた勢いで床下から衝撃を伝えてちゃぶ台をブッ飛ばす。
ピストンの先端にはマグネットが付いていて、作動するまでの間はちゃぶ台は居間の中央に磁力で固定されている。
毎回、違ったぶっ飛び方をするちゃぶ台が、結構な面白さを演出する作品となりました。
第13作目となる「小さいおうち」の平井家。毎回何かしらの仕掛けを盛り込もうとして製作していますが、今回は2階屋根の突出し窓を電動で開閉させる仕掛けを取り入れました。
モーターの作動音が多少気になりますが、保存用ケースの外からスイッチ操作できるので、展示会等でもその作動を楽しんでいただけるかと思います。
ローカルなテレビCMに、「そやのォ~、今年はそろそろ仏壇替えなアカン…」ってフレーズがありますが、まさか自分が仏壇のミニチュアを作ることになろうとは。
第13作目の「平井家」を忠実にモデル化していく中で、初めて取り組む課題が「お仏壇」でした。
思考錯誤の繰り返し。毎回当たり前のことですが、やってやれないコトは無いんですね。
視覚トリックを取り入れたミニマムアイテムです。
見苦しい私の足先が写り込んでいますが、大きさ比較のためなのでご容赦を。
この奇妙な形をした物体、イメージにぴったりの素材です。
最近はネットで何でも手に入る時代になって便利な反面、手に取って確認してから買うことが出来ない不便さもあって、これは貴重な成功例です。
これが何に使われるのかと言うと、ゲゲゲの鬼太郎に登場する「妖怪ポスト」の脚になります。
ミニチュアにしては大きいんじゃない?って、そう思われますよね。実物大の妖怪ポストは、製作費用や作品メンテナンス代金の募金箱として登場します。
たくさんの人に作品を見ていただきたい反面、照明スイッチが壊れたりケースが破損してしまったり、意外にメンテナンスにも費用がかかります。
展示会場でひっそり妖怪ポストが立っているのを見たら、皆さんの暖かい気持ちを差し入れ口から投函していただけないかと思っています。
テーマにゲゲゲの鬼太郎を選んだことから、そこに登場しそうな小物を考えてみた。
いろんな画像を検索してみると、今では見かけなくなった蓑と笠の画像を発見。
雰囲気がすごくマッチするので取りあえず作ってみることにした。材料は自宅の座敷ほうき。色といい質感といい、またとない素材を見つけてテンションアップ。